今回は日本の年金制度である厚生年金保険について説明します、厚生年金保険は、5人以上の従業員を雇用する適用業種の事業所及び1人以上の法人事業所に強制的に適用される年金制度です。従業員5人未満の事業所及び農林水産業?サービス業の一部の事業所は任意適用となります。技能実習生は原則として厚生年金保険の被保険者となります。(厚生年金保険の被保険者にならない場合は、国民年金の被保険者になります。) 受入れ企業の担当者から被保険者証や年金手帳をもらったら、名前など記載事項に間違いがないか確認し、保管しておきましょう。なお、帰国日と退職日が異なる場合は、雇用契約に基づく退職日が基準になります。
保険給付は大きく分けると、老齢給付、障害給付、遺族給付の三つがあり、それぞれの給付については詳細な支給要件がありますので、社会保険事務所に確認する必要があります。
このほかに外国人の厚生年金保険加入者に適用される制度として脱退一時金があります。そこでこの脱退一時金及びその裁定請求手続きについて説明します。
国民年金又は厚生年金保険の保険料を6ヶ月以上納付(国民年金の保険料納付免除期間を加算することはできない。)し、年金を受ける権利(障害手当を含む。)を有したことのない外国人は、出国後2年以内に脱退一時金を請求することができます。手続きについては下記の通りです。
(1)出国する前に社会保険事務所または市区町村の国民年金課で脱退一時金裁定請求書を入手します。
O必要事項をすべて記入してください。
請求書の請求者氏名、生年月日(西暦を使用)、本国の住所(支給決定通知書と振込通知書が送付されます。)請求年月日(西暦を使用)、振込先銀行名?支店名及び所在地(日本国外の銀行を指定すること、日本銀行からの振り込みができない銀行もあるので、予め社会保険業務センターに確認しましょう。)、振込先口座(アルファベットの大文字記入)、厚生年金保険の記号番号等年金手帳の記載事項(年金手帳から転記する)、請求者の署名(必ず本人の署名)。
O必要書類を揃え添付します。すべての書類が揃っていないと、不備返戻となります。年金手帳又はその写し、パスポートの写し、銀行の証明書が必要になります。年金手帳を喪失した場合は、請求書裏面の所定欄に年金手帳に記載されていた氏名、最後に厚生年金保険の被保険者として使用されていた事業所の名称、住所、加入していた期間(加入年月日及び脱退年月日)をアルファベットの大文字で記入してください。パスポートの写しは、出国年月日、氏名、生年月日、国籍、本人の署名等必要事項が確認できる部分の写しを添付してください。
銀行の証明書は、振込先銀行名又は支店名(所在地)、口座番号、請求者本人の口座名義を確認できるようにしてください。また請求書の「銀行の口座証明印」欄に証明印がもらえない場合は、預金通帳で上記のことが確認できる部分の写しを添付してください。
なお、年金手帳、在留時のパスポート、賃金支払い明細書は、脱退一時金を請求する際に必要になりますので、大切に保管してください。
(2)帰国後に(1)で揃えた書類を社会保険センターに送付してください。年金手帳は後日返却されます。
<送付先>〒168-8505東京都杉並区高井戸西3―5-24
社会保険業務センター
電話:03-3334-3131
<英文宛名>Shakaihoken Gyomu Center
3-5-24, Takaidonishi,Suginami-Ku,
Tokyo,168-8505,
JAPAN
最後に請求に当たっては次のことに留意してください。
(1)脱退一時金を受け取った場合は、その該当期間は年金の加入期間とはみなされません。
(2)請求者の家族や受入れ企業等による代理請求はできませんので、必ず本人が請求してください。本人が請求する前に死亡した場合、死亡後に遺族、受け入れ企業が本人に代わって請求することはできません。但し、本人が請求の後、脱退一時金の支給を受けずに死亡した場合は、死亡当時に生計を同一にしていた配偶者、子、父母、祖父母、兄弟姉妹がかわりに給付を受けることができます。
(3)厚生年金保険の脱退一時金は支給の際に20%の所得税が源泉徴収されます。この場合の税の還付は日本の住所地を管轄する税務署へ他の退職一時金と合わせて確定申告を行うことによって、還付される場合があります。詳しくは所轄の税務署にお問い合わせ下さい。
(4)厚生年金保険の被保険者期間を算定するに当たっては、採用日(資格取得日)即ち技能実習移行日の属する月から退職日の翌日(資格喪失日)の属する月の前月までの期間が月単位で計算されます。したがって、退職日が月末日であるのと月末日の前日であるのとでは1ヶ月の差が生じ、脱退一時金の給付額が異なります。また、資格喪失日は必ずしも帰国日ではなく、あくまでも雇用契約上の退職日になりますので注意してください。例えば、有給休暇を取得して早めに帰国する場合も帰国日ではなく、雇用契約上の退職日が資格喪失日となります。
(例1)技能実習移行日(採用日)2004年4月1日、退職日2005年3月30日の場合。
資格取得日:2004年4月1日―資格取得月:2004年4月
資格喪失日:2005年3月30日―資格喪失月:2005年3月
被保険者期間:11月(4月―2月)
厚生年金保険脱退一時金受給率0.4
(例2)技能実習移行日(採用日)2004年4月1日、退職日2005年3月31日の場合
資格取得日:2004年4月1日―資格取得月:2004年4月
資格喪失日:2005年4月1日―資格喪失月:2005年4月
被保険者期間:12月(4月―3月)
厚生年金保険脱退一時金受給率0.8
(5)保険料の納付は資格取得月から資格喪失月の前月までとなります。喪失月は負担しません。但し、月末退職の場合には、翌月が資格喪失月となるため退職月までの保険料が徴収されます。
(6)問い合わせは、最寄りの社会保険事務所か上記の社会保険業務センターまでお願いします。
脱退一時金の受給額の計算方法
脱退一時金の受給額=受給率×平均標準報酬額
<脱退一時金の受給率>
保険料納付期間(注1) 受給率(注2)
6~11ヶ月 0.4
12~17ヶ月 0.8
18~23ヶ月 1.2
24~29ヶ月 1.6
30~35ヶ月 2.0
36ヶ月~ 2.4
(注1)保険料納付期間は上記(4)参照。
(注2)2003年4月から受給率が改訂されました。
(*)<平均標準報酬額について>
2003年4月から総報酬制が導入されました。これに伴い、厚生年金保険の脱退一時金の支給額の計算のもとになる従来の平均標準報酬月額が、新制度では平均標準報酬額(被保険者期間の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を当該被保険者期間の月数で割って得た額)となります。このため、平均標準報酬額の算定が被保険者期間が2003年4月以前と5月以降で異なり、下記のようになりますので、ご注意下さい。
①厚生年金保険の被保険者期間の全部又は一部が2003年4月以前に当たる場合、その被保険者期間の各月の標準報酬月額に1.3をかける。
②2003年5月以降の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額を合計する。
③上記①と②を合算して得た額を全被保険者期間の月数で割った額が平均標準報酬額となり
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